「女書」は主に湖南省江永県の上江圩鎮とそのあたりで暮らす女性の間で伝わるものです。女性専用の文字で人類史上唯一の現存する性別文字です。女文字、歌、手仕事など伝統ある風習が豊富で形ある「女書」文化を創りあげています。
特徴
2002年4月、女書は中国档案文献遺産録に記録されました。2005年10月には女書は「全世界で最も性別的特徴を持つ文字」として、ギネスブックに認定されました。そして2006年6月に女書の文化は中国の無形文化遺産名録に記録されました。女字には700あまりの文字があります。ほかの文字と比べ、五つの特徴を持っています。
一、女性だけ使用できます。
二、女性だけが後継者になれます。
三、地元の方言と言葉を記録する文字で読む時は地元の言葉を使います。
四、文字の形が面白く、形の特徴は右側が高くて左側が低いといった長い菱形の形です。
五、人が亡くなった時には副葬品として本を燃やします。
「女書」で書かれた作品は七言古詩が多く、五言のものは少ないです。布製の本、団扇、ハンカチ、または紙に書きます。文字が書かれた場所によって名前も違います。紙に書いたのは紙書、団扇に書いたのは扇書、ハンカチに書いたのは帕書です。独特な「女書」は女書文化を伝えるだけではなく言語学、文学、歴史学、考古学、人類学、ジェンダー学、民俗学と民族文化史および庶民文学などの分野の研究にも重要な役割を果たしています。
江永女書生態博物館
江永女書生態博物館は「女書復活島」という別名をも持つ浦尾島にあり、江永県県城から15キロ離れています。この島は瀟水(湘江上流で最大な支流)に囲まれており景色が美しい所です。ここの住民は素朴で親近感があります。有名な女書の後継者である高銀仙、胡慈珠、唐宝珍の故郷である浦尾島は女書が伝承されている重要な所です。女書園は2002年に建てられ、総面積は2500平方メートルです。明清時代の建築様式を用いています。主に文字や写真、ビデオなどで女書の原本、作品、工芸品、書道、学術的成果や風俗などを展示し、歴史ある文化とその独特な魅力を紹介しています。