承天寺塔は寧夏回族自治区銀川市の西側にあり、「西塔」とも呼ばれています。西夏王朝の重要な仏教寺院であり、当時、お参りに訪れる参拝者が多く、武威の護国寺、張掖の大仏寺と並ぶ仏教聖地として崇拝されていました。1050年に建てられ、すでに900年余の歴史を持っています。史料によると、西夏の開国皇帝李元昊の死後、その幼い子が帝位につき、皇太后はその子の長寿と李家天下及び西夏の永久な安定を祈るために、承天寺と仏塔を作りました。清の乾隆3年、激しい地震よって承天寺塔がひどく壊れました。現存するのは清の嘉慶25年(1820年)に再建されたもので、西夏の建築風格はそのまま保存されています。
承天寺塔は密檐式の八角形のレンガ作りの塔で、美しくて高く聳えています。11階の建物で高さは64.5m、西安の大雁塔より0.5mを上回っています。 主体の部分は高さ2.6m、長さ26mもある四角形の土台の上に建てられています。塔の門は東の方向に面していて、幅4.8mの通路を通じて塔室に入ります。
塔室は四角形の空間を現し、室内は各階が木材造りの構造で、木造りの梯子が上へと伸びています。1階~3階は窓が設けられていませんが、4階~10階には1階ごとに交替でアーチ型の窓が設けられています。最高層には4つの方向に向かって大型の丸型の窓があって、広々としてとても明るいです。窓を通して眺めると、古城と塞外の素晴らしい風景が一望に眺められます。爽やかな秋の天気になると、天と地の繋がるところに一筋の黄河が見えます。
2006年05月25日、承天寺塔は清の時代の古建築として、中国国務院によって第6次全国重要文化財保護単位に選ばれました。今、承天寺塔は効果的な保護がされ、寧夏回族自治区の重要文化保護財にも指定されています。院内には博物館があり、また古建築展示室が増設され、寧夏の歴史、民族と軍事などに関わる数多くの貴重な文化財が収蔵され、教育と観光にとって大切な活動場所となっています。