「天下第一の名刹」の少林寺を有する嵩山は河南省登封市の北西側に位置し、総面積は450平方kmあり、東には省都の鄭州、西には古都の洛陽、北には黄河、南には穎水を有します。古くは外方、嵩高、崇高と呼ばれていました。五代以後は中岳と称され、泰山、華山、恒山、衡山と合わせて五岳と言われています。
嵩山では幾度かの地殻変動を経て徐々に山脈が形成されたため、地質史上のいくつかの時代の地層と岩石を見ることができます。このため地質学界で嵩山は「五世同堂(五世代同居)」と呼ばれています。標高の最も低い所で海抜350m、最高地点は海抜1512mあり、主峰の峻極峰では海抜1492mあります。嵩山は太室山と少室山から成っており、太室山と少室山にはそれぞれ峰が36あって、合計で72峰あることになります。この多くの峰以外にも谷や洞窟、滝などの風景を楽しむことができます。夏には連なる山脈が美しく、また草木が青々と茂っています。冬は一面、雪に覆われ、それもまた素晴らしい景色です。
嵩山は中国の歴史発展博物館になっており、その中にはさまざまな文化遺跡が956箇所あり、そのうち9箇所は国の重点文化財に指定されています。嵩山には「中国6大」といわれるものがあります。禅宗祖庭の少林寺、既存の最大規模の塔林である少林寺塔林、現存する最古の塔である北魏嵩岳寺塔、既存の最も古い皇帝の宮殿である漢三阙、最古の柏の木といわれる漢封「将軍柏」、そして現存する最も古い観星台の告白元代観星台です。その他にも太室山の中岳廟は秦の時代に建てられ、唐・宋時代には最盛期を迎え、現在では河南省最大規模の寺院建築群になっています。嵩陽書院は古風で質朴な趣があります。宋の時代には睢陽、岳麓と白鹿洞書院と合わせて四大書院と呼ばれていました。