天葬は中国のモンゴル族、チベット族が死者を葬る儀式です。漢族の火葬、回族の土葬などと異なり、モンゴル族、チベット族の天葬は特別な葬式です。
モンゴル族の天葬 :モンゴル族の天葬のやり方はいくつかあり、一つは死体を仰向けにして経文が書いてある布で覆い、荒れ野原に放置します。キツネ、オオカミや、猛禽類によって食べられます。三日後、親戚は見に行き、もし死体はを鳥獣にきれいに食われているなら、死者は生前に善行をし、魂はもう天に戻ったことを意味します。もしあまり食われていないなら、死者は生前に悪事をしたので、鳥獣にも嫌がれたと解釈されます。その場合、僧を呼び呼び死者の遺体は鳥獣に食われる間ずっと経を唱えてもらい、それによって死者への敬意を表したと見做されます。
チベット族の天葬:チベット族の天葬には仏教の極楽往生の思想が含まれています。天葬はごく普通に行われます。どの地域でも天葬専用の場所、すなわち天葬場があり、天葬師と呼ばれる人により葬式が行われます。人が死んだ後、死体の頭を膝のところまで曲げ、座る姿にし、白い布で死体を包んでから、扉の後ろの右側に置き、僧に経を唱えてもらいます。
吉日を選んで、専門の人に死体を鳥葬台まで運んでもらい、桑を燃やし、ハゲワシを呼びます。僧が経を唱えた後、天葬師は死体を処理します。その後ハゲタカは激しく奪い合います。きれいに食べられることが一番いいと見做され、それは死者は生前に罪がないので、魂はもう天国に行けたと考えられています。もし死体が残ったなら、それを集めて経を唱えながら火葬します。
ハゲワシは大形の鳥類で、通常は寒冷地帯にすみ、中国ではチベット高原によく目にします。一群か、二三羽あるいは一羽で生活し、昼には上空で輪を描いて飛び、視力は非常に良いです。
チベット人はハゲワシを尊び、チベット人の考えによると、鳥葬台周りのハゲワシは人の死体のみを食べ、動物一切を殺したり傷つけたりしないので、神の鳥と見做され、猟をして捕らえることは禁じされています。天葬でハゲワシを通して、肉体の解脱、魂の昇華が実現されるのです。同時に、死体をハゲワシに布施すると、ハゲワシの餌として動物を守ることになるため、功徳を積んだことになります。
天葬台の多くは寺に近い山の中腹にあり、そこは特別な場所で、仏教の長老の慧眼と風水によって決められたところです。一つの平らの岩を天葬台にする場所もあれば、石ころしかない天葬台もあります。日曜日は天葬台に行けません。それは不吉なことと考えられています。月曜、水曜、金曜、土曜の朝四時から八時まで、日が昇る前に天葬が行われるのが一般的です。
観光客が見学できる天葬台 :ランムース(郎木寺)の天葬台は賽赤寺(セルティ・ゴンパ)と300メートル離れた西北方面にあり、アムド地域の最も大きな天葬台の一つで、400年の歴史を持っています。チベット人の考えによると、死亡は終わりではなく、始まりで、往生と解脱を意味しています。これはチベット信の教者の真の行き先とされています。ここでは神秘的な葬式文化があるので、近年多くのお客様を引きつけています。
出棺 :人が死んだ後、死体を数日間置き、僧が経を唱え、吉日を選んでもらって出棺になります。出棺は早朝に行われ、専門の人によって天葬台まで運ばれます。
経を読み、済度する:天葬台は、周りで揺れ動くルンタに囲まれており、天葬師は死体の傍で法螺貝を空に向けて吹きます。柏を燃やし、鈴を揺らしながら、経を読み、死者に済度を行います。柏の煙が上がるにつれ、ハゲワシは遠くから飛来して天葬台の近くに集まります。数えきれない数のカラスも集まります。
解体、ハゲワシに布施する:天葬師は死体の服(或いは包まれた布)を剥ぎ、一定の順序で死体を分解し、肉と骨とをわけます。その後、石で骨を砕き、ツァンパと混ぜ、肉を細かく刻んで傍におきます。最後に、ハゲワシを呼び、先に骨、それから肉の順序で体のすべてを食べさせます。
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