広州懐聖寺
懐聖寺は、獅子寺、光塔寺とも呼ばれます。中国イスラム四大モスク(あと3つは杭州鳳凰寺、泉州清浄寺、揚州仙鶴寺です)の一つです。場所は広州市越秀区光塔路56号にあり、広東省における重点文物保護単位に認定されています。唐の時代から、広州は中国海外貿易の主な港として、アラビア商売人が集まっていました。したがって、その人達が当時の政府の支持のもとで、規模が大きいモスクを建てることが出来ました。そのモスクは今日の懐聖寺であります。寺院の名前は、イスラム教の創始者を懐かしむことから名付けられました。寺院は敷地の正面に聳える礼拝大殿、三軒の組み合わせで、縁側と斗組(障子?襖などの骨を四角に組むこと)を備えた伝統的で立派な建物です。また、石板に扇子、傘、花、獅子、魚などをイメージした彫刻が施されており、どれもが鮮明です。大殿の内部は真っ白で明るく、木製の床に三面の引き戸を用い、飾りもかなり質素ですが静寂感に満ち溢れています。
元から正3年(西暦1343年)に、火災による焼失のため、現存する懐聖寺は明清時代に再建されたものです。全体の占有面積は2966㎡に達し、参道に沿ってたどって行くと、三重の門、看月楼、礼拝大殿と蔵経閣;西南に光塔、回廊と碑亭、正面に看月楼、その後方に月見台、洗礼堂、東西回廊などがあります。寺の色彩や装飾は西アジアの雰囲気を備えながらも、中国の対称建築様式が採用されています。
付近には、イスラム教徒向けの食材店が多数あります。羊肉やアラブ式ナンなどを入手することができます。観光の後、ちょっと足を運べば、独特の雰囲気を持つところで休憩しながら、異国情緒あふれた料理を味わうことができるのです。
光塔が最初建てられたのは唐の時代で、高さ36.3メートルで、円形で屋根の尖ったアラビア特有の建築様式で建てられている。1934年修繕され、中国国内現存するイスラム風建築の中で一番早くて特色のある古跡の一つになりました。懐聖寺は1996年11月に、全国重点文物保護単位の名簿に入れられました。
広州には、イスラム教を信仰する回族、ウイグル族が数多くいますので、教徒たちは毎週金曜日の集団礼拝日とイスラム教の祭日に寺院に集います。
また広州交易会の期間中は、多くのアラビア人が礼拝に訪れます。
今、懐聖寺は中国と海外のイスラム教徒にだけに解放されており、普通の民衆が入ることができません。なお、現在、懐聖寺は広東省におけるイスラム教の中心モスク(寺院)でもあります。