概要
工芸品とは、原材料や半製品を手作業で作り出し、鑑賞性、実用性を持つ芸術品の総称です。工芸品は庶民の普通の生活から生まれ、その一方で生活実用品を超える価値を持ちます。人間の創造性と芸術性の現れで、人類の知恵の結晶といえます。古代から現在まで、中国の民間工芸品は、濃厚な郷土色と民族的風格を具え、種類も豊富で多彩。優れたものが数多く生まれています。
それでは、悠久の歴史を誇る中国の、国内外に名を馳せる工芸品-陶磁器、編み物、切り紙、藍印花布、刺繍、卵雕、蝋燭染めなど-をご紹介いたします。
竹彫刻
中国は最も早く竹製品を使用した国です。その中国で、竹彫(竹刻)は長い歴史を持ち、国の伝統的な芸術になっています。竹彫は竹製品を様々な模様で飾り文字を刻むものから、竹の根から各種の置物を作ったりするものまで様々です。この竹彫は222年の六朝時代から始まったと伝えられ、唐時代には多くの人から愛好されていました。その後、明や清の時代には、もっと盛んになりましたが、芸術的な表現が多様になり、様々な表現方法が現れてきました。その後、様々な独自の流派に分かれ中国の工芸や美術の伝統と歴史を築いています。もっと見る
刺繍
刺繍は主に洋服や寝具、テーブルクロス、カーテンなどの生活用品の中や舞台の装飾になどに用いられたり、また芸術品になったりしています。刺繍は中国の民間伝統工芸の一つで、少なくとも2~3千年の歴史を持っています。蘇州の「蘇繍」、広州の「粤繍」、湖南の「湘繍」、四川の「蜀繍」は『中国4大刺繍』といわれています。もっと見る
ろうけつ染め
ろうけつ染めは、中国の伝統紡織染物工芸で、絞り染め、型染めと並んで中国古代の三大模様染め技術と称されています。その起源は、二千年あまり前の春秋時代まで遡ります。ろうけつ染めは、中国南西部の少数民族によって代々受け継がれ、特に、貴州省では少数民族の生活に欠かせないものになっています。様々な模様や上品な色合いなど、優れた長所に恵まれ、地元の人々は主要な装飾具とするだけではなく、頭巾、腰巻き、衣服、スカート、ゲートル、カバー、風呂敷、背負いひもまで、ろうけつ染めで作っています。もっと見る
面塑
「面塑」は別名を「面花」、「礼餅(贈り物のマンジュウ)」、「 蒸し菓子」、「しん粉細工」と呼ばれる、もち米と小麦粉を練って作った小さい人形です。
山西、山東、河南省、甘粛省などで盛んに作られています。
歴史資料によると、中国の面塑芸術に関する記載は漢代まで遡ることができて、数千年の歴史を持っています。
現在、面塑は貴重な無形文化財として保護されています。
また、面塑は歴史、考古、民俗、彫塑、美学など分野の大切な研究資料です。もっと見る