西安市の中心から西へ徒歩で100mほど、鼓楼を通過すれば「西安回民街」という深い歴史感漂う所が見えます。ここには、外形や歴史がそれぞれ異なった約十棟のイスラム寺があり、約二万人の回族の人が寺の周りに住んでいるため、イスラムの古い宗教伝統と生活習慣がちゃんと受け継がれています。
「回民街」という言い方は、「北院門」、「化覚路地」、「西羊市」、「大皮院」という四つの街の総称として使われます。その中一つ、北院門は「回民街」のシンボルとも言われています。
西安北院門は、回族の人々が住んでいる主要なエリアで、南北に約500メートルと長く街路樹が生い茂っており、建物は明代と清代の建築を模倣して建てられているのが「回民街」の特徴と言えます。また、飲食店や雑貨店などは回族の経営でイスラム雰囲気が溢れており、外国の観光客の間で非常に人気があります。
人気な北院門の「美食街」は中国で現存する最も古い化覚巷大清真寺、そして中国の三大城隍廟の一つでもある西安城隍廟は、すべて「回民街」にあります。このエリアには、イスラム文化の伝承地としての唐代の「含光門」、明代の「西城門の楼群」、よく保存されている「清真寺」と仏教の「西五台」、ラマ教の「広元寺」などの文化遺跡の多くが、今も健在しています。
西安回族の美食はほとんどここにあります。例えば、牛羊肉泡[食莫](小麦粉で作った食品で、細かくほぐして熱いスープをかけてふやかした食べ物)、灌湯包(スープを入れるパンの一種)、清真ギョーザ「酸菜炒米(醗酵させた酸っぱい白菜の漬け物で作る焼き飯)、牛や羊の肉をあぶって食べる焼肉、各種の軽食やおやつなど、忘れないくらい美味しい食べ物がいっぱいあります。ここには、舌を喜ばせ、旅の趣もいっぱいあるので、西安へ行けばこの街は絶対見逃せません。
羊肉泡馍(ヤンルーポーモー)
羊(牛)肉泡馍(ヤンルーポーモー)は西安市で有名な軽食として人々に親しまれています。上等な牛肉あるいは羊肉に香辛料を加え、鍋で煮込んでできたシチューの中に、小さくちぎった焼きパンを入れた料理です。パンを食べ終えた後に、スープを飲んでいただくと、香りは口いっぱいになります。ニンニクの砂糖漬けを一緒に食べると味はより一層よくなります。羊(牛)肉泡馍(ヤンルーポーモー)は西安の飲食文化を代表する食べ物だと言えるでしょう。灌湯包(小龍包)
灌湯包は食材に凝っているほか、皮を包むのに熟練を要します。灌湯包は、小麦粉を湯で練って皮を作り、餡にはばら肉と新鮮な骨髄を用い、十種以上の調味料を入れて作られています。出来上がった灌湯包は見かけも綺麗で、スープも濃厚ですが、脂っこくありません。