ポタラ宮はラサの町の西の端に位置するマルポリ(紅い丘)にある宮殿式建築群です。
- チベット族の人達の心の聖地で、一生に一度は訪れなければならないところです。
- チベット地区で現存している建築の中で、一番大きく、一番無傷で保存されている宮殿式建築群です。
- 紅宮に五世以来の各世ダライの霊塔(仏舎利塔に近いです)があります。極彩色に輝き、まばゆいほどの美しさです。
観光案内
ポタラ宮を観光するとき、正門から入って白宮を見物し、それから、階段に沿って上り、順を追って正殿を見物してから、山頂にある紅宮を出て西門の出口から出るのが一般的です。中でも、聖観音殿、法王洞、西有寂円満大殿、五世ダライラマ霊塔は観光のポイントです。
西有寂円満大殿は五世ダライラマ霊塔殿の祠であり、ポタラ宮で一番大きい殿堂です。殿堂の内壁に壁画がぎっしり描かれています。その中で一番有名なのは五世ダライラマが上京して清代の順治皇帝に朝見する壁画です。
五世ダライラマ霊塔はポタラ宮で一番大きく、一番立派な霊塔で、高さが14.85mです。菩提塔を完全に模して造られました。金で塔の外層を包み、約3721kgの黄金を使用しました。塔内に五世ダライの肉身、仏陀迦葉仏舎利、釈迦牟尼仏舎利、経書『甘珠尓』、『丹珠尓』などの宝物が収蔵されています。塔の外層には天珠、トルコ石、瑪瑙、真珠など何万個もの宝石が嵌められており、華やかで美しく壮麗で、価値が極めて高いです。
ポタラ宮の歴史
ソンツェンガンポ(松蔵干布)が唐より文成公主を妻として迎えるに際し、創建されたと伝えられていますが、現在のポタラ宮は第5代ダライラマが17世紀から造営したもので、50年余りを要して完成されました。
その後、歴代ダライラマの冬の宮殿として、宗教、政治の中心となりチベット仏教及びチベットの在来政権における中心的な役割を果たしています。1994年、周辺の遺跡と合わせてラサのポタラ宮の歴史的遺跡群はユネスコ世界遺産(文化遺産)として登録されました。
ポタラ宮は主に白宮と紅宮と呼ばれる2つの部分に大きく分けることが出来ます。
白宮
白宮は7層構造で、歴代ダライラマの居住と政治的な執務にあてられています。建物全体の外壁が白色に塗られ、人目を引くことから「白宮」と呼ばれています。最上層にはダライラマの居住である「日光殿」があります。日当たりの良いこれらの部屋は「東日光殿」と「西日光殿」と名付けられています。東日光殿は西日光殿に似せて造られたものです。出入りの取り締まりが厳しく地位の高い者だけが入れます。拝謁室、寝室、経堂、習経堂などがあり、部屋の飾り付けは非常に豪華なものばかりです。
6階と5階は生活を営む場所と政治的な執務を行う場所として使われています。4階には白宮最大の建物、東大殿があります。ここではダライラマの坐床式や親政大典などが行われ、政治的にも宗教的にも極めて重要な場所といえるでしょう。
紅宮
紅宮は、ポタラ宮の中央に位置し、白宮と同様に外壁全体が赤く塗られているため「紅宮」と呼ばれています。
紅宮にはダライラマの霊塔殿や様々な仏殿があり、様々な仏事が行われています。一番重要な建物は歴代ダライラマの霊塔殿です。ここには8基の霊塔(5世と7世-13世のもの)が納められていますが、なかでも一番豪華なのは、ダライラマ5世の霊塔です。ダライラマの霊塔殿の横には面積約725㎡の西大殿があります。それはダライラマ5世の享堂であり、そしてポタラ宮最大の殿堂です。内部には全部で700枚を超える壁画が描かれており、いずれも当時のチベットの風物や人々の生活がリアルに描かれています。
特別注意事項
1、外国の方がチベットへ行くなら、「チベット入り許可書」を取らなければなりません。
2、ポタラ宮を見物するには、チベット仏教のすべてのタブーに従わなければなりません。大殿に入った後、帽子をかぶらないこと。サングラスをかけないこと。特にスカートをはかないこと。スカートをはいた観光客はズボンに替えてから、入ることを許可されます。大殿で写真を撮らないこと。足で敷居を踏まないこと。
3、ポタラ宮を入るには、厳しい安全検査を受けなければなりません。刃物、可燃物、爆発物、液体飲料などの持ち込みは禁止です。大きいかばんを所持していると、かばんを開けて検査を受けることを要求される可能性があります。
4、ポタラ宮を入る前に、あらかじめ用を足したほうがいいでしょう。なぜなら、約30~40分の観光コースにトイレがないからです。正門から入ってから、切符売り場である徳央夏広場までトイレがありません。トイレはこの広場の右側にしかありません。
5、ポタラ宮は毎日2300枚の切符しか発売しません(その中で、個人切符は約700枚発売します)。旅行の最盛期になると、切符を入手することが難しいので、一日前に(例えば、1日か2日の予約ができますが、3日目の予約はできません。)西門で、身分証明書を提示して翌日の切符の購買券を受け取る必要があります。一人で購買券を4枚受け取ることができます(1枚の購買券に4人を登録することができます)。購買券に翌日の切符購買時間や見物時間が明記されています。時間を過ぎると、購買券が無効になります。一般的にいうと、午前中予約しに行くなら見物時間が午前中で、午後予約しに行くと見物時間が午後です。しかし、ゴールデンウィークのような旅行の最盛期になると、観光人数が多すぎるので、朝早くポタラ宮の西門へ予約しに行くことをおすすめします。そうしないと、予約数を超えて、また次の日に予約しに行くことになります。特別注意:切符を買うとき、予約券と予約時に提示した身分証明書を必ず持って行くこと。
6、ポタラ宮の正門に入るとすぐ安全検査です。本当の切符売り場までたくさんの階段を上がらなければなりません。体力的に劣る方には、30分かかる可能性があります。購買券に明記されている切符購買時間や見物時間を逃さないように、時間に余裕を持つほうがいいでしょう。
7、ポタラ宮を撮影するのにいいスポットが二つあります。一つは、ポタラ宮西南側の薬王山展覧台(ポタラ宮の全体を撮影することができます)です。もう一つは、ポタラ宮広場南側の人工湖の畔(逆さまに映った影を撮影することができます)です。
交通アクセス
- 市区内で1番、6番、12番、17番、24番バスに乗り、「拉百駅」で降ります。
- タクシーに乗るなら、市区範囲の初乗り料金は10元です。
- 市区内にいるなら、人力三輪車に乗ってもいいでしょう。5元がかかります。