武当山
武当山は、湖北省の北西部の丹江口市内にあり、大巴山の東段の一部であります。峰々はとても高く聳え、主峰である天柱峰は海抜1612メートルで、その長さは400キロにも渡ります。道教の名山でありながら、中国武術である武当拳の発祥の地でもあります。30平方キロ内に高くて険しい山が72もあり、景色が素晴らしいです。
伝説によれば、武当山は、真武大帝(玄天上帝)の聖地として有名で、古来より多くの道教の名流たちはここで修行を積んでいました。宋、元代以降、幾度も改築され、中国に現存する古代建築群の中で一番規模が大きいものになりました。宮観には神像、法器、経など、文物として芸術価値のあるものがたくさん残されました。1994年12月、武当山古代道観建築群は<世界遺産名簿>に選ばれました。
山の丘には立派な古代建築があります。伝説によれば、建築規模において五岳を超えていたと言われています。1300年前の唐代貞観年代に、道教を広げるため、五龍祠が建てられたのをきっかけに、以降、道教を信じる者が増え、武当山は道教名山として有名になりました。武当山の道教は、「非真武不足以当之」という言葉に示されるとおり、「玄天真武大帝」を尊んだものである言われています。
武当の文化では、「中国の根底には道教がある」とされています。武当山は、四大道教名山の中で一番の山で、中国における道教の聖地です。道教文化の源は、春秋から漢末にまで遡ることができます。その時代に、武当山はすでに宗教活動の重要な拠点だったのです。魏晋南北朝の時期に、より盛んになり、道教の第一名山になりました。
明の永楽帝は、戦乱で焼失し、朽ちかけた武当山を、莫大な国費を投入して再建しました。永楽帝は、武当山で修行し昇天したという神、玄天上帝を深く信仰していました。武当山では今も、数百人の道士たちが、玄天上帝を祀り、仙人の境地を目指して修行を続けています。また、武当山の道士は、この地発祥の中国武術、武当拳の修行にも力を入れています。
現在、武当山に現存する古代建築は53あり、建築面積は2.7平方メートルに上ります。また、建築遺跡は9あり、敷地面積は20万平方メートルを超えます。さらに、山全体に保存されている文物は5035にも登ると言われています。これらのことから、この山は、「中国古代建築の博物館」と言われています。