飾りちょうちん
飾りちょうちんは伝統的な民間芸術として伝わってきました。起源は前漢時期に遡り、二千年あまりの歴史があります。飾りちょうちんは伝統的な祝日、結婚式、年配者の誕生日祝いなどのめでたい日に多く使われ、祝いの雰囲気を引き立たせます。
歴代の職人たちの継承と改善を経て、飾りちょうちんには多種多様な種類が生まれ、技術もますます優れたものになってきています。種類には、宮灯、紗張りのちょうちん、吊りさげのちょうちんなどがあります。形状には、人物、山水、花、鳥、竜、鳳凰、魚などがあります。そのほか、賞玩用の走馬灯もあります。
中国の飾りちょうちんは、絵画芸術、切り紙細工などの芸術性を持ち、各土地の産出の竹、木、藤、麦の茎、動物の角、金属、あや絹などの材料を使って作られます。なお、中国古代に作られた飾りちょうちんの中では、宮灯と紗張りの灯籠が最も有名です。
各地の飾りちょうちんは、それぞれの民族と地域の特色を持っています。上海の竜型の灯籠は布で作られ、広東の走馬灯は構造が精巧です。温州の飾りちょうちんは一万以上の多種多様な珠で作られ、精巧で美しく壮観です。北京の宮灯は優雅です。一方、河北の霸県の灯籠はまた独特です。「ネズミがブドウに登っている」灯籠、「サソリが建て物を載せている」灯籠、キリン型の灯籠、猪八戒型の灯籠、アヒル型の灯籠、金魚型の灯籠、オシドリ型の灯籠など、題材が面白くユーモアがあります。寓意を見て取れます。
そのほか、中国の北方地域には氷提灯があります。旧暦の一月十五日の前後は中国北方地方の気温が最も低くなる時期です。この時期に作られた氷提灯は数十日間は溶けることはありません。天然氷の透明性を利用した氷提灯からこぼれる蝋燭の灯りは、非常に美しく、独特な風情を作り出しています。厦門、海寧、揚州、丹陽、南京、青州、成都、北京などのちょうちんが有名です。