煉瓦彫刻
煉瓦彫刻はレンガに人物、山水、草花などの模様を彫刻したもので、古い建築彫刻の中でとても貴重な芸術です。煉瓦彫刻は主に寺の塔や墓室など、建物の部材や壁を飾ることに用いられますが、一般的にはレンガで刻み出した彫塑の工芸品を指します。
煉瓦彫刻の発展:
中国の煉瓦彫刻は東周時代の瓦当、空洞レンガと漢の画像レンガから発展してきました。北宋の時代に煉瓦彫刻が始まり、墓室の壁の装飾に利用されました。
金の時代に墓室煉瓦彫刻の表現が更に充実し、技術的にも一定レベルに発達しました。元代に墓室煉瓦彫刻は次第に衰退しましたが、明の時代に至って墓室煉瓦彫刻から建築装飾煉瓦彫刻へ形を変えて発展しました。清朝の時代には、北京故宮の壁に挟んでいる柱の通風孔も、煉瓦彫刻を使って花鳥の模様を刻まれました。この技法は、堅くて美しい上に、通風にも役に立ちます。清朝の後期に、煉瓦彫刻は複雑で精巧になる傾向を強め、絵画芸術の趣を持つようになりました。
流派
煉瓦彫刻には、北京煉瓦彫刻、天津煉瓦彫刻、山西煉瓦彫刻、徽州煉瓦彫刻、蘇州煉瓦彫刻、広東煉瓦彫刻、臨夏煉瓦彫刻(河州煉瓦彫刻)など7つの流派があります。
特色
煉瓦彫刻は粒子が細密な泥のレンガに人物、風景あるいは様々な模様を刻む細工です。煉瓦彫刻の大部分が建築部材、扉、壁の飾りとして用いられています。レンガは材料の選択、形の形成、焼きなどの製造過程で高品質なものを追求するので、頑丈できめ細かく滑らかで、彫刻に適しています。芸術作品としての煉瓦彫刻は、近距離からでも遠距離からでも鑑賞することができる特徴があります。
煉瓦彫刻の題材には、松、柏、シュンラン、竹、椿、菊の花、蓮の花、鯉など縁起が良く人々を喜ばせるものが多く選ばれます。彫刻技法には浮き彫り、立体彫刻、透かし彫りなど多種多様な方法があります。煉瓦彫刻の特徴には彫り易いという点もあります。 煉瓦彫刻は石の彫刻のように素材に特別な性状を要求しないので、建築装飾の中でよく見受けられます。通常、煉瓦彫刻は成型、焼きと製錬、彫刻などの手順で作られますが、材質が石材よりも柔らかくて彫り易いので、生き生きした表現に仕上げることが出来ます。