骨彫刻
骨彫刻は、通常牛、ラクダ、イカなどの動物の骨を原料として彫刻して磨いた物です。ある少数民族は、骨でさまざまな装身具、ペンダント、宗教儀式用の大型骨彫刻まで作ります。例えば、佤族(ワ族、モン・クメール系少数民族の一つで、雲南省に居住します)の水牛の角、チベット族のヤクの骨彫刻お守りなどです。
骨彫刻は悠久の歴史を持っています。今から約10万年前の旧石器時代に、北京周口店龍骨山の山頂洞遺跡に、小さな穴を開けた骨のペンダントが発現されました。
他には、比較的有名なものとして陕西省臨潼区の新石器時代の姜寨墓から出土された模様が刻まれた骨の髪を束ねる髪飾りと8577粒の骨の珠、浙江省余姚市河姆渡遺跡に発現された長くて細い骨の杓子、河南省安陽和輝県や北京昌平区などの殷(BC17~11c)の時代の遺跡から発掘された骨彫刻のくし、髪飾りなどです。1982年、陕西省西郷県何家湾から約6000年余前の骨彫刻の人間の頭が出土されました。それは中国の骨彫刻の芸術に対して貴重な宝物です。
現在、中国の骨彫刻の産地は主に北京市、浙江省、内モンゴル自治区、福建省、広東省です。
北京骨彫刻は、牛骨を原料としてブレスレット、べにの箱(べにを入れて蓋のある小さな箱)、はさみなどの骨彫刻を作り、いろいろな色に染めたりします。
浙江省寧波の骨彫刻は牛骨で透かし彫りの山水や楼閣などの模様を彫刻してから、家具にはめ込みます。
内モンゴル自治区包頭市に作られた骨彫刻はラクダの骨を原料とします。
福建省仙遊県には牛骨を原料として、宮廷の象牙細工、莆田(地名)の木彫刻などの工芸と結びついて、伝統を受け継ぎ、戦争用の船、漁船、関羽(中国歴史上の有名人;三国時代の武将)、馬車、及びイセエビ、カニなどの精巧な芸術品を作ります。
広東省仏山市の骨彫刻は、真っ白なイカの骨を原料として人や山水などを刻み、透かし彫り細工が精巧にできており、繊細な彫刻が見事です.
作るプロセス:
1.牛やラクダの大腿骨(この二つの中で、ラクダのほうはもっと厚くて大きいです)は骨彫刻の肝心な部分です。股骨の両端にある関節の骨密度が低いので、40センチないし50センチの骨を削ぎ取ります。中央部分の13センチぐらいの骨だけを残します。
2.先にさっと高温で油脂を取り除きます。その後、化学方法で再び油脂を取り除いて漂白します。
3.加工する種別に基づいて、骨を切り分けます。
4.人、動物、山水、建物などの種別に応じて、別々に分けて細工します。
5.全てを細かに細工すれば出来上がります。