上海城隍廟は、老城隍廟とも呼ばれる著名な観光スポットで、上海道教正一派の主要道観(道教の寺院)の一つです。同じく著名な観光スポットである豫園に隣接した観光エリア(黄浦区)に位置しています。明代永楽年間(1403-1424年)に建立され、およそ600年の歴史を持つこの廟は、上海で最も古い商業地区として発展してきたこともあり、上海の歴史を語る上では欠かせない存在です。上海を訪れるなら、ぜひ老城隍廟へいらしてください。周辺のグルメや記念品ショップもお見逃しなく。
多くの上海人にとって、老城隍廟は幼少時代のパラダイスです。上海城隍廟から豫園にかけての1㎞弱のエリアは上海でも特に古くから存在する商業地区として数百年にわたって賑わいを見せてきました。急速に開発が進んだ上海では、かつて老城隍廟付近に存在した古い建物もその多くが取り壊されてしまいましたが、このエリアの脇道は「上海老街」と呼ばれ、新たな商業地区として発展しています。交通アクセス:地下鉄10号線、豫園駅下車。
老城隍廟にある点心の老舗
老城隍廟の中では、数多くの上海地方グルメに出会うことができます。緑波廊の特徴的な点心、松月楼の野菜包子(野菜まん)、桂花庁の鳩蛋団子(見た目はハトの卵のような団子)、松雲楼の八宝飯(ナツメ、竜眼、クルミなどを入れたおこわ)、南翔小籠包、酒醸団子など、まるで点心の天国のようです。
緑波廊
緑波廊
緑波廊酒楼は上海老城隍廟九曲橋のそばに位置します。かつて「楽圃閬茶楼」と呼ばれていた明代嘉靖年間(1522年-1566年)の建物をレストランに改築し、1978年に創業。上海料理や蘇州料理をメインとし、「扇形甩水(ソウギョの尾びれの醤油煮込み)」、「生爆鱓背(タウナギの炒め物)」、「大根酥餅(大根とエビの点心)」などが看板メニューです。そのほか上海主菜、上海点心、フカヒレ、蟹料理という上海料理の王道ともいえるメニューが有名です。また同店は国家特級酒家であり、数多くの国賓要人も訪れる名店です。
南翔饅頭店
南翔饅頭店は日本、マカオ、マレーシアなどにも進出している小籠包の有名店で、創業から100年以上、上海人に愛されている老舗です。名物の南翔蟹粉小龍包(蟹入り小籠包)は8個で25元。「上海へ来てこれを食べないと損する」といわれるほどの絶品点心です。出前注文にも対応しています。
湖心亭茶楼
湖心亭茶室
湖心亭は明代嘉靖年間(1522年-1566年)、四川布政司であった潘允端によって建築された豫園景色のひとつです。清代乾隆十九年(1784年)に湖心亭は繊維商人たちの集会所として使用されたのち、清代咸豊五年(1885年)に上海初の茶屋として開業しました。創業時の屋号は「軒」、その後「宛在軒」を経て、現在は「湖心亭」となりました。
湖心亭茶楼はおよそ200人を収容でき、伝統的な中国様式で統一された店内装飾が優雅な空間を提供します。お茶を淹れるために使われる良質な水にはかすかな甘みがあり、提供される中国茶に独特の風味を持たせます。また毎週月曜日の午後には、江南の管弦楽合奏が楽しめます。おいしい中国茶とともに、美景と楽曲に包まれた癒しの時間をお楽しみください。
寧波団子店
城隍廟の寧波団子は上級の餅粉に、ゴマやラードや粉砂糖を練りこんだ餡を、熟練の点心師によってひとつひとつ手作りされます。団子は日に1万個以上、祝日ともなると7~8万個が売れるほどの人気です。
二つの大きな釜で茹でられた団子は、浮き上がると同時にすくいあげ、冷水で締められます。きれいに形の整った団子を軽く噛めば、餡のゴマの香りが口いっぱいに広がり至福の時間が訪れます。