長海は則査窪溝の最奥部に位置し、標高が3060メートル、面積が30万平方メートル、長さが約7.5キロメートル、幅が約600メートルで、湖水の一番深い所が百メートルぐらいです。九寨溝では海抜が最も高く、湖面が最も広く、最も深い湖です。
長海は氷堆石が塞がって生まれたもので、「S」の形をしていて、氷河地形の典型的な景観を持っています。夏と秋になると、紺碧の湖水が輝き、切り立った山々が湖畔に幾重にも重なり合っていて、森も青々として滴り落ちてきそうです。平穏で落ち着くとき、湖面が青いガラスみたいに静かになります。風がそよそよ撫でると、湖面が細かい鱗みたいに瞬くようになります。長海が山に沿ってくねくねと流れ、先端が深い谷に隠れます。遠く眺めると、鏡のような湖水が静かで、雄大な雪峰が聳え立ち、青い空と白い雲との独特な雰囲気に浸り、とても壮観になります。冬の時節、白い雪に覆われた山々が「鎧兜」を纏い、氷の峰が寒い光を放つようになります。湖面の氷が60センチほど厚く張り、長海は氷の海になります。
長海が山中の雪解け水と湧水を集めるため、水量は一年中一定です。周りには水の出口も入り口もありません、夏の豪雨でも溢れないし、冬の乾燥にも枯れることはありません。そのため、当地チベット族の住民は長海が「満ちるように詰められないし、枯れるように漏れない宝のヒョウタン」だと言います。長海の湖水が蒸発と地下に浸透するという形で流動し、他の湖の水源になっているので、長海は「九寨溝湖の母」もと誉められています。
長海の沿岸には長年風雪に耐えたイブキが立っています。独特な姿で、一方は枝葉が横に生えて、一方は刃物で削られたように禿げてい「独腕老人」と名付けられました。伝説によると、年長の猟師は悪魔と命がけで決戦したとき、腕を削られて失ってしまいました。悪魔が再び襲ってくることを防ぐため、猟師は宝剣を持って長海の沿岸に毎日立って九寨溝を守っています。古いイブキがシルクみたいな湖面に投影し、きれいで独特な画面を構成しています。
広々とした長海が九寨溝景観の広く深い味わいを醸しだし、人間が仙境にいるような自然風光と濃い特色を持っているチベットの民族風俗により、世界各地から来る観光客を迎えています。