九寨溝(きゅうさいこう)は四川省北部のアバチベット族チャン族自治州、岷山山脈の深い渓谷にあり、ユネスコの世界自然遺産に登録されました。手つかずの原生林の中にY字の形をした樹正溝、日則溝、則査窪溝という3つの谷があり、谷にそって大小108の湖、泉、滝などが分布しています。水は透明度が高く、山脈から流れ込んできた石灰岩の成分(炭酸カルシウム)が沼底に沈殿し、日中には青、夕方にはオレンジなど独特の色を放ちます。また、流れに乗って運ばれてきた腐植物が石灰分に固定され、植物が生え、独特の景観がまるで童話な世界です。
九寨溝から100km離れ、より高所に位置する黄龍も世界遺産に登録されています。
黄龍(こうりゅう)は彩池、雪山、峡谷、森林の景色で世界的有名です。景区内の石灰化池は、周囲の景色や日光の当たる角度によって、色とりどりの色に変化し、「人間瑶池」とも呼ばれています。
九寨溝の美しさは四季折々で様々ですが、春~秋が観光シーズンとなります。特に湖面のブルーに紅葉が映える色彩豊かな景観が楽しめる秋は観光ベストシーズとなります。
3月-5月:春風が吹き、九寨溝のいたるところに名前の知られていない美しい山の花が咲き乱れます。桃色、茄子紺、藍色、鵝黄色など、美しい花々が咲き乱れます。
6-8月:暑い夏、九寨溝は避暑の良い場所です。高海抜がもたらす涼しい気候は観光客を猛暑から遠ざけます。この時の湖の水の量は十分で、青い池の水は更に清涼の意を添えます。
9-11月:秋は1年で最も美しい季節です。色彩豊かな紅葉や黄葉が、湖面に映り、幻想的な世界を作り出します。色彩美豊かな秋の風景は
12月-2月:山は雪に包まれて、滝の流れは氷柱と化し、冬の九寨溝はまるで一面の銀世界です。この時期は観光客が最も少ない季節で、とても静かで、ゆっくり景色を楽しめます。
九寨溝での観光は、環境保護のため、個人の車は入園できず、エコバスを利用します。九寨溝景区はY字型の渓谷にそって、樹正溝、日則溝、則査窪溝という3つの観光エリアに分けられています。手前が樹正溝、Yの左側が則査窪溝、右側が日則溝です。観光順序はコースによって異なりますが、午前中は則査窪溝へ見学するのがおすすめいたします。その後、中心地である諾日朗瀑布付近のレストランで昼食。午後は日則溝(にっそくこう)、樹正溝(じゅせいこう)エリアへ見学します。
樹正群海(じゅせいぐんかい)は数十個の大きさが異なるさまざまな湖で構成され、九寨溝秀麗な景色の大門だと認められます。湖は互いにつながり、何千メートルもくねくねと続いて、幾重にも重なった段々畑のように見えます。
黄龍は九寨溝とともに1992年12月、ユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録されました。
九寨溝に比べ、黄龍の標高はより高いです。最高峰である雪宝頂は標高5588m、年間を通して雪に覆われます。水があふれる棚田のようにも見え、そのエメラルドグリーンに輝く水は、見る角度により様々に変化します。黄龍風景区は往復ロープウェイを使用して景区をめぐり、観光できますが、冬は天気の影響で、ローブウィは運休で利用できない可能性があります。
黄龍の観光ベストシーズンは6月下旬から10月下旬になります。この時期、水量が多く、美しい景色が広がり圧倒されます。
日本から九寨溝へ行く場合、直行便が運航されていないですので、まず中国北京、成都、重慶、西安へ。その後、各空港で乗り換え九寨黄龍空港へ行くのがおすすめいたします。所要時間は約45分~3時間かかります。
空港から九寨溝景区の入口まで約83kmで、車で所要時間は約2時間。黄龍景区入口までは約1時間かかります。
また、成都から九寨溝までには長距離バスが運行されています。所要時間は8時間~10時間かかりますので、長い旅になります。
九寨溝・黄龍内での観光はエコバスとロープウェイを利用しながらのハイキングとなります。