「天地之中」には少林寺建築群(常住院、初祖庵、塔林)、東漢三闕(大室闕、少室闕、啓母闕)、中岳廟、嵩岳寺塔、会善寺、嵩陽書院、観星台を含む八箇所十一項目の歴史建築物があります。漢、魏、唐、宋、元、明、清の時代を経過して、中国国内でもっとも歴史が長く、建築様式も多様で豊かな文化を持っている古代建築群と言われています。2010年8月1日、ブラジルの首都ブラジルリアで開催されていた第34回世界遺産大会で、「天地之中」という歴史建築群が世界文化遺産に登録されたことを公表しました。
闕:墓道の外に立てた石碑で、左右2個あって、死者の姓名、官職が刻まれる。
「天地之中」にある登封の歴史建築群は漢、魏、唐、宋、元、明、清の時代を経過して、現在に至りました。登封という神秘で情熱溢れる土地で、最も代表的で、最も科学性、技術性、芸術性、歴史的価値のある古代建築物の八組み十一項目は:太室闕、中岳廟、少室闕、啓母闕、嵩岳寺塔、少林寺建築群(少林寺常住院、初祖庵、塔林)、嵩陽書院、会善寺、観星台(天文台)などが、「登封天地之中」歴史建築群」という名称で、「世界遺産名薄」に掲載されました。東漢時代に作られた少室闕、啓母闕は中国で最古の国宝級レベル祭祀形式建築模範です;中岳廟と太室闕は中国古代様式建築構造の最も代表的な建築です。周公測景台と観星台は中国で現存する最古の天文台です;嵩陽書院は中国で最初に儒家の理念を広め、儒家の聖人を祭り、試験を行う書院として、既に 消失した書院文化普及の役割を果たしていました;嵩岳寺塔、少林寺建築群、会善寺は、各時代で仏教を広める役割を果たしている一里塚で、この千年あまりの間、広範に宗教の建築様式に影響を及ぼしていました。
中国の古代宇宙概念では、中国は天地の中心にあり、中原が中国の中央にあります。そして、中原の中心地域に当たるのが洛陽登封です。ですから、登封は中国の初期王朝の都でありながら、文化の中心でもありました。儒教、仏教、道教など、中国文明の主流がここでその文化を広める基礎を創りました。ここは当時の天文台である天体観測の基準地点でもあり、この歴史的背景によりこの地域に多くの貴重な文化記念建築が集められ、残されました。そして、その一番貴重なのは登封「天地之中」という歴史建築群で、中国の伝統的な天地之中と言う宇宙概念に関わっています。
この歴史建築群のさまざまなタイプ、高い基準、長い歴史、豊かな内容、大きな影響は世界的に貴重です。この建築群は中国古代の礼制、宗教、科学、教育などの建築様式の代表作であり、中国の古代建築技術と建築芸術の長い歴史の見本で、中国の独自の宇宙観と美学観である当時の基本思想を、深く反映したものでもあります。登封の「天地之中」歴史建築群は、既に消え去った伝統文化の貴重な現存する文化遺産を提供できる東方古代建築芸術の宮殿でもあります。