黄帝宮は雲岩宮ともいい、鄭州の南西、新密東南劉塞郷にあります。黄帝は戦で蚩尤(中国の古い伝説上の人物。神農氏の時戦乱を起し、黄帝とたくろくの野に戦う)に負け、ここに逃れてきたといわれています。そしてここに宮殿を作り、軍事演習や八陣図の作戦を練っていました。現在では厩、倉五村、将軍参拝台、宮殿、軒轅門などの建築物が残っています。
黄帝宮は武定湖北岸、山を背にして水際にあり景色が非常に趣があります。本堂の中にはろうそくの香りと線香のけむりがたちこめ、木魚を叩く音が響いています。参拝客は真摯な態度で先祖黄帝の前にひざまずき、平安と幸福を祈っています。人祖軒轅洞には黄帝と風后の彫像があります。生き生きとした表情をしており、まるで古今東西のこと、天下安泰のことを語り合っているように見えます。祖師殿、議事亭、庭園はひとつひとつが宝石のように宮殿のいたるところで輝きを放っています。
黄帝宮の前には曇りのない鏡のような湖があります。水が澄んでいて雲や岸辺の柳が青々とした水に映り、まるで水中の水晶の宮殿のようです。湖の向こうには城が3つあります。左側の城は情人島に立ち四方を水に囲まれ、松の木で覆われています。城内には風后の八陣図碑があるほか、観光客用に模造された木製の小屋もあります。右の城は清心島に立っています。一番南にある八陣兵俑城は屏風のようです。城の中にある何百体の兵馬俑からなる天覆陣、地載陣、風揚陣、雲垂陣、竜飛陣、虎翼陣、鳥翔陣、蛇蟠陣は黄帝と風后が八陣配置の作戦を練っていた当時の壮大な場面をうまく再現しています。
夜空の下の黄帝宮はより一層美しく、ロマンチックです。ここ数年、黄帝宮は景色のきれいな観光スポット、また避暑観光地として開発しています。さらには釣堀、自然のプール、水上ダンスホールなどの施設も作られています。