西安の風俗習慣
秦腔
秦腔とは主に西安地方で有名な中国の地方劇です。秦腔は、昆曲、弋陽、柳子などと共に、南昆(南の昆曲)、北弋(北の弋陽)、東柳(東の柳子)、西木邦(西の木邦子:秦腔)として、中国の古代戯曲の四大声腔体系の一つとして並び称されています。今日、一般に秦腔と言う時、いわゆるこの西安秦腔を指すことが多いです。
秦腔のその盛況振りは大変なものであったことが覗われます。いわゆる特技(難度の高いパフォーマンス)では、吐火や吹火などの火を操る技が有名で、身段(しぐさ)の分野では、拉架子、担柴担、水担などと呼ばれるものが有名です。なお、この秦腔の演劇としての特徴ですが、いわゆる行当(劇の役柄)は、主に老生、鬚生、小生、幼生、老旦、正旦、小旦、花旦、武旦、媒旦、大浄、毛浄、醜(道化役)など十三類(呼び名も京劇とは若干異なる)に分かれています。
特に、花臉(悪役)の大音量で、声高で激越する歌い方は有名です。また、文場(弦楽伴奏楽器)には二弦子、板胡、二胡、笛子、三弦、揚琴などが使われおり、武場(打楽器伴奏)には暴鼓、干鼓、堂鼓、勾鑼、小鑼、木邦子などが使われています(建国後は一部の西洋楽器も使われるようになりました)。
皮影劇
皮影劇は中国伝統芸術の一つですが、今は行う団体も少なくなっているそうです。光と影の織りなすドラマは非常に幻想的な上に、その音楽、演唱もいかにも中国的ですばらしいです。
現在、皮影は西安や太原などで生産をされ、かなり高額で売られているています。だが、古いの皮影は、現在の工場で作られたものなどと比べようもないほど貴重ですばらしいものです。珍しいところでは、皮影という影絵芝居に使われる棒で操る人形などもあります。
剪紙
剪紙は、幸せを願う人々の心を切り紙という形で切り取った中国の民俗芸術です。 今も人々の生活の中で愛されている剪紙を皆さまとご一緒に愉しんでいきたいと思います。
古都の文化と伝統を受け継ぐ西安人は、今日でも中国の文化の潮流をリードしています。常に身近なものとして歴史に触れている西安人は、文化的素養が高く、特に文学芸術界でその才能を発揮している者が多いです。