「チャイナ・ハウス」(陶磁器の家屋)は天津市平和区赤峰道72号の繁華街に位置し、隣には張学良の旧居があります。この住宅は昔の典型的なフランス式の建築で100年以上の歴史があります。ここは長い間、補修されておらず数十年も使われずにいました。住宅の持ち主である張連志は天津市粤唯鮮株式会社の理事長で、自身が数年かけて収集保存してきた骨董品、例えば古い磁器、大理石の彫刻、水晶石と瑪瑙、数え切れないほどの磁器のかけらを飾り、ヨーロッパの趣が溢れる住宅に変身させました。「中国式のコート」である磁器を羽織ったチャイナ・ハウスは透き通るようにきらきらと輝く古式ゆかしい「中国磁器博物館」になりました。大胆的な装飾と極めて美しい姿をしているので天津市の新しいシンボルになりました。現在のチャイナ・ハウスは天津住民によく知られているだけではなく海外の観光客の注目も集めています。
チャイナ・ハウスは5階建てになっており、その後ろには4階の細長い建物が、両脇にはそれぞれ200平方メートルの建物があり、建て面積をすべてあわせるとおよそ3000平方メートルあります。建築するのに6年もの月日がかかりました。古い磁器のかけらが4億個以上、古磁器が13000個、大理石の彫刻が400個、水晶石と瑪瑙が20トン、猫のような枕がおよそ100個などの300年ほどの年代の異なるものや大小さまざまな石の獅子が使われています。すべての磁器と破片は漢代から明清代にかけてのもので、中国の五大名窯のほか、また龍泉、耀州等の窯で作られてものです。
中国の官用窯と民用窯で作られた磁器は種類が非常に多く、すべてここには集結しています。斉白石、徐悲鴻、ファン・ゴッホ、ダ・ヴィンチ等、古今東西の芸術家の作品は磁器のかけらをつなぎ合わせて壁に描かれています。これらの作品は独創的で見応えがあります。ハウスのてっぺんには独特で生き生きとした姿の巨大な龍がうねる姿の彫刻があります。「China」という文字が空に飛び出すように書かれていてとても人目を引いています。優美な曲線と壮観な勢いなので中国龍舞の動きが十分に表現されていてオリエンタルな雰囲気が漂っています。星の数のように数えきれないほどの中国古典芸術品と西洋建築が相まって、設計者のイメージにあった出来栄えになっています。
張連志氏は「チャイナ・ハウスは芸術品の収集を目的とするだけではなくこのハウスには中国文化の象徴を表している」と考えています。彼はこのような形で世間に中国文化の真髄を展示し、もっと多くの人に中国文化を理解してもらうことができる、と期待しています。