概況
大明湖は済南市中心部、済南の旧城北部に位置しています。趵突泉と千仏山をあわせて「済南三名勝」と呼ばれています。
済南市は「泉城」と呼ばれ、自然に恵まれて100以上の泉があり、その中でも名泉と呼ばれるものは七十二ヶ所あります。「明湖」は多くの泉からの湧水が集まってできた天然の湖です。水は南岸から流れ込み、いっぱいになると宋の時代に建てられた北岸の北水門へ流れ出します。湖の底は水を通さない火成岩で構成されているため、大明湖は「長雨があっても溢れない、雨が降らずとも枯れない」と言われ、いつでも同じくらいの水位を保っています。
公園の面積は86ヘクタールで湖面積は46ヘクタールあります。湖には歴下亭、匯泉堂、湖心島などの名所が浮かび非常に美しい景色です。大明湖の中では蓮の花が植えられ湖のほとりには柳が並んでおり古来より「四面に蓮の花、三面に柳、一城の山色、半城の湖」という漢詩に歌われています。
歴史
大明湖は自然にできた湖で、最初に記載された書物は北魏の時代の酈道元が書いた『水経注』です。隋唐の時代になると「蓮子湖」と呼ばれ、宋の時代には「西湖」という名前もありましたが後に金元の時代には「大明湖」と呼ばれるようになりました。園内には名詩句が書かれた石碑がたくさん保存され、中には唐代の著名な詩人杜甫が詠んだ「海右此亭古、済南名士多」という詩文があります。この詩文を石碑に書いたのは清の時代の何紹基で、この他には「翁方網」などの碑文も残されており、奥深く文化的な芸術的価値があります。
辛稼軒記念祠
大明湖南岸の遐園にある1961年に建てられた庶民の住宅建造物のことです。中には辛棄疾(しんきしつ、南宋の時代の政治家・詞人であり、号は稼軒)の塑像があり、辛棄疾に関する伝記、代表作、後世の研究文献などが展示されています。
小滄浪亭
三方を蓮の花が栽培されている池に向かい、湖水は導水路を通って庭に流れ込みます。ここからの眺めると遠くの山と傍の水と天高い青空が一体となってまるで巨大な美しい絵巻きのように見えます。