大理古城の保国路には数多くの飲食店が集中し、大理の名物料理を堪能するのには、ここは外せません。ペー族、チベット族風のカフェやレストランは至る所にあり、外国からの観光客で賑わっています。代表的なものは、ペー族の「三道茶」とチベット族の酥油(バター)茶です。もちろん、料理とともにここの安らぎの雰囲気もお楽しみください。ゆっくりと心和むひとときです。
ペー族涼粉(ところてん)
この食べ物は鶏豆涼粉(鸡豆凉粉)とも言います。原料となる鶏豆という豆は麗江の特産品で、冷やして酸っぱくて辛いタレとニンニクをかけて食べるも良し、焼いて食べるも良し。安い上に健康にも良いので非常に有名です。豆のでんぷん質を練って固めたもので、作るにはとても手間がかかります。コンニャクやトコロテンに似た食感で、淡い黄緑色が食欲をそそります。
ルーシャン(乳扇)
ルーシャンはペー族が作る伝統的なチーズの一種です。黄色っぽい乳白色で見た目が扇に似ているので名付けられたと言われています。製法は、牛乳を材料に脱脂し、酸によるタンパク質の凝固分離を行います。この状態で丸めたものは「ルービン」(乳餅)といいますが、これを薄く板状に伸ばしたものがルーシャンとなります。これをさらに乾燥させたものもです。食べ方として、油でパリパリに揚げて、塩をまぶして食べたり、細かく刻んで三道茶と呼ばれるもてなし用の茶に入れたりします。また、切って雲南ハムなどと共に蒸して料理したり、そのまま和え物にしたりします。
乳扇は数ヶ月保存可能で、東南アジア諸国にも輸出し、大変人気ある一品です。
大理砂鍋魚(魚の土鍋料理)
洱海(大理にある大きな湖)で取れた淡水魚を使ったペー族の郷土料理で、遊覧船や各レストランで食べられます。土鍋に鮒のような魚、しいたけ、昆布、ねぎ、人参、糸こん、豆腐、湯葉、鶏肉、白菜、豆もやし、春菊などたくさんの具を入れて煮込み、酢、醤油、胡麻味噌など好みのつけダレで食べます。水炊きらしく色とりどりで味がさっぱり、栄養も豊富で観光客に喜ばれる一品です。
耙肉餌糸(ライスヌードル)
餌糸は、板状に固めた米浆を包丁で端から帯状に切ったものです。軽く茹でた餌糸を熱いスープ碗に入れ、特別な方法で作り上げた柔らかい豚肉と長ネギの千切りを乗せて、コショウをかけて食べます。香り高く濃厚で後味さっぱりの一品です。その美味しさの秘密は、現地で採れた米のもちもちした食感と、炭火で香ばしく炙った豚肉を土鍋でじっくりと煮込むことにあります。独特な味わいで他所では真似できないと言います。
喜洲ババ
喜洲粑粑(ババ)は中国式ピザといえるもので、大理の喜洲鎮に由来します。できたてはこんがり焼き上がったパリパリの皮を楽しめるため、別名破酥の名前がついています。粑粑には甘い(小豆入り)のと総菜風(ひき肉入り)のとがあり、焼き方も特殊で下からの鉄板の強火と、上に炭火を乗せた鉄板で焼き焦がすことなくパリパリに焼き上がることができます。
彫梅扣肉(梅干し入り豚角煮)
彫梅とはペー族の梅干しのことです。新鮮な梅を表面に波紋状に彫刻して中の種を取り除き、塩漬けして天日干ししたあと、上質な蜂蜜や砂糖を入れてカメの中で数ヶ月熟成させます。出来上がったものは香りがさわやかでその形も綺麗、しゃきしゃきして歯ごたえがあり、夏のおかずとしても大変人気です。 厚切りの豚バラ肉に彫梅を加えてから4時間蒸します。出来上がったものは、赤身の部分は箸で触れると崩れるほどやわらか、脂身は余計な脂がほとんど無く、とろりとジューシーです。肉の中に梅の香りがしみ込み、食欲をそそります。
大理生皮(生のブタ皮料理)
大理のユニークな料理で、言わば北京ダックの生の豚皮版です。生皮はペー族語で「黒格」と言い、正月や祝日、普段の集りに必ず出される一品です。
食べ方は、つけダレをつけて食べるのも良し、薬味とつけダレときゅうりや玉ねぎなどの野菜を加えて和え物にしても良し、味わいが独特な郷土料理です。
大理凍魚(白身魚の酸辣(サンラー)煮込みの冷やし版)
ペー族の人たちに愛されている冷やし料理で、客人を迎える際に必ず出される一品です。作り方は、酸辣湯(サンラータン)で仕立てた白身魚の煮込みに例えれば分かりやすいです。コイやフナを材料に、鶏がらスープ、塩、お酢、しょう油、粉唐辛子、山椒、ニンニク、ショウガなどを加えて煮込み、出来上がったものを一晩寝かせて冷やし、翌日に料理として出します。
ペー族米糕(米で作ったケーキ)
ペー族米糕は水糕と乾糕の2種類があります。乾糕とは、水をしみ込ませた米にミント、陳皮(ちんぴ)、黒糖を加えて粉状にひき、強火で蒸し固めたものです。水糕とは、乾糕にもち米を少量加えたもの、但し蒸す前には黒糖を入れず、出来上がってから、黒糖、ゴマ、シソを表面にまぶします。客人をもてなす際、更に黒糖や玫瑰糖(ハマナスの花の砂糖煮)をかけて、甘いお菓子に仕立てます。そら豆が旬の頃になると、米糕を作る際にそら豆粉を加えて、香り高く淡い黄緑色の米糕ができ、いっそう美味しくなります。