概況
湖南省博物館は長沙市開福区にあり、1950年代に建てられました。敷地面積は5.1平方メートルで、うち公用の建物の面積は2.9万平方メートルに達しています。この博物館は展示物がとても豊富で約18万件あり、その中でも特に馬王堆漢墓の文物、商周の青銅器、楚の文物、歴代の陶磁、書画及び近現代の文物などは最も特色があります。
人物龍鳳帛画
この帛画は戦国の時代のもので、長さが31㎝、幅22.5㎝で1949年に長沙の陳家大山楚墓から出土しました。中国で最初に発見されたもので、完璧な形で保存されている人物画の1つです。
人物御竜帛画
戦国時代(紀元前475―前221年)のもので、長さが37.5㎝、幅28㎝で1973年に長沙の弾子庫楚墓から出土しました。この帛画に描かれている人物は姿が生き生きとし「中国早期肖像画の傑作」と呼ばれ「人物竜と鳳凰帛画」と並び「先秦絵画芸術の双璧」と称されています。
曲裾素紗禅衣
素紗禅衣は西漢早期のもので、全長は160㎝、裄は195㎝、袖の幅が27㎝、ウエスト部分の幅が48㎝の重さが48gで、1972年に馬王堆1号漢墓から出土しました。
蘭亭序
現在、博物館に保存されている『蘭亭序』は唐の褚遂良によって臨写されたものです。この巻の本文に使われた生地は絹で黄褐色なので「黄絹本」とも呼ばれています。縦が24.5㎝、横が65.6㎝あります。本文の最後の行である「斯文」の下には「芾印」、「子由」という2つの朱色印字がありましたが、今では印字をはっきりと見ることができません。
漢墓T形帛画
馬王堆1号漢墓と3号漢墓の内棺の蓋板には形式・内容ともほぼ同じ帛画が掛けられていました。この2枚の帛画はいずれも一重の絹地で作られており、上の部分の幅は広く下は狭いので「T形帛画」と呼ばれています。帛画は天上、人間界、地下の3つの部分に分かれた内容になっています。天上界の部分は上の端の一番広い所に描かれ、中央に人身蛇尾(上半身が人間、下半身がとぐろを巻いた蛇)の神人が座っています。右の角には赤い太陽の中が描かれ、その中に黒い鳥が、太陽の下の扶桑の間には8個の赤い太陽が描かれています。
黒地彩絵漆棺
馬王堆1号漢墓から出土した黒地彩絵棺の前に立つと、地下に埋蔵された2000年以上の歴史ある漆器芸術品は依然としてまぶしく目も眩む色彩を放ち、ここが湖南省博物館であることを忘れてしまうことでしょう。