キジル千仏洞
古代シルクロードの真珠と言われたキジル千仏洞は、中国で最も早く開かれた新疆随一の石窟で、西域、亀茲石窟群の中で最大規模のものである。
新疆ウィグル自治区拝城県キジル郷から70キロ離れたミンウダク山の岩壁上に、3.2キロにわたって開削され、現在、236窟が確認されているが、そのうちほぼ完全な型で保存されているものは135窟ある。
キジル千仏洞は、3世紀頃から作られ始めたが、8世紀末ごろ放棄されたと言われている。
石窟の大多数は、僧侶たちが礼拝などを行う中心柱窟と方形窟で、ほかには僧侶の住居の僧房もある。
壁画の題材は、二種類あり、一つ目は、釈迦の誕生から涅槃までのいくつかの代表的段階である入胎、誕生、宮中生活、出家苦行、山家苦行、降魔成道、説法度衆、涅槃などである。
二つ目は、本生物語で、釈尊が生前において何度も生まれ変わり、そのたびに善根を重ねて仏になるという物語である。
また、宗教に関する題材以外に、古代西域の各民族の人々の暮らしを反映しているものも多い。
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